グランドセイコーに合う服装ヴィンテージ時計の着こなしと楽しみ方

1968年製ハイビートのグランドセイコーを、今の服装へ。文字盤の経年変化やバックスケルトンの楽しみ、革ベルトとジャケット・スーツの組み合わせをご紹介します。

白シャツとチェックジャケットに合わせた革ベルトの1968年製グランドセイコー

古い時計を、今の洋服とどう合わせるか。

ヴィンテージ時計には、年代や仕様を知る楽しさもありますが、日々の服装へ取り入れることにも面白さがあります。

今回の写真に写っているのは、父から受け継いだ1968年製、ハイビートのグランドセイコーです。チェックジャケットや淡いブルー系のスーツと合わせながら、古い時計を今の装いで楽しむ考え方をご紹介します。

文字盤の経年変化も、この時計の味わい

経年変化の見られる文字盤とカミーユ・フォルネ製の黒リザードベルト
経年変化の見られる文字盤とカミーユ・フォルネ製の黒リザードベルト。

時計に近づくと、文字盤には経年による劣化が見られます。私は、その変化もこの時計の味わいとして受け止め、文字盤はそのまま使っています。

少し色の変わった文字盤や、長い時間を経た表情には、古い時計ならではの魅力があります。父から受け継いだ一本を日々の服装に合わせるときも、この表情を含めて楽しんでいます。

この写真で付けているのは、カミーユ・フォルネ製の黒いリザードベルトです。細かな鱗の表情と黒の引き締まった色が、穏やかな文字盤に輪郭を与えてくれます。

洋服と一緒に写っている写真では、同じカミーユ・フォルネのブラウンのクロコベルトを付けています。黒のリザードとブラウンのクロコでは、色も革の表情も違います。同じ時計でも、ベルトによって装いへの馴染み方が変わるところに、革ベルトの楽しさがあります。

裏蓋を替えて、ハイビートの動きを眺める

社外品のバックスケルトンの裏蓋を通して見えるハイビートのムーブメント
社外品のバックスケルトンの裏蓋を通して見えるハイビートのムーブメント。

この時計のオリジナルの裏蓋には、ゴールドの「金獅子」マークが付いています。ただ、元の裏蓋には腐食があったため、社外品でバックスケルトン仕様のものを探し、付け替えて使っています。

こうすることで、ハイビートのムーブメントを目で見て楽しめるようになりました。腕に着けているときは文字盤の表情を、時計を外したときには裏側から機械の動きを眺められます。

文字盤の経年変化は残し、裏蓋は使い続けるために替える。それぞれの状態に合わせて手を入れながら、日常の中で楽しんでいる時計です。

チェックジャケットには、静かな文字盤を合わせる

最初の写真では、細かな柄の重なるチェックジャケットに、白シャツを合わせています。

服に十分な表情があるため、腕元はシンプルな文字盤とブラウンの革ベルトで落ち着かせています。

ジャケットにも時計にも個性がありますが、その個性の見せ方は異なります。服には柄を、時計にはすっきりした表情を置く。その役割の違いが、組み合わせを整えてくれます。

ブラウンのベルトも、ジャケットの柔らかな色合いとつながっています。文字盤だけを見るより、ベルトまで含めて時計を眺めると、服との合わせ方を考えやすくなります。

時計に合わせて服を無地にするだけが選択肢ではありません。控えめな時計だからこそ、柄のあるジャケットを楽しめることもあります。

淡い色のスーツは、濃いシャツと革ベルトで引き締める

淡いブルー系のスーツに濃いネイビーのシャツ、ブラウンの革靴とグランドセイコーを合わせた平置きコーディネート
淡いブルー系のスーツに濃いネイビーのシャツ、ブラウンの革靴とグランドセイコーを合わせた平置きコーディネート。

こちらは、淡いブルー系のスーツに、濃いネイビーのシャツとブラウンの革靴を合わせたコーディネートです。

スーツが明るい色なので、シャツに濃い色を入れて、胸元を引き締めています。時計のブラウンの革ベルトも、明るい服の中に小さな濃色として収まります。

時計が古いからといって、服まで重い色にそろえる必要はありません。こうした明るいスーツに合わせると、時計の端正な表情を軽快な装いの中で楽しめます。

また、ネクタイを使わず、胸元には柄のあるチーフを入れています。きちんとしたスーツの形を生かしながら、シャツと小物で少し力を抜く。このバランスに、革ベルトの時計が自然につながります。

革ベルトの色は、靴と濃淡をつけて考える

細かな縞のある明るいスーツ生地の上に置いたブラウンの革ベルトのグランドセイコー
細かな縞のある明るいスーツ生地の上に置いたブラウンの革ベルトのグランドセイコー。

ここで付けているのは、先ほどご紹介したカミーユ・フォルネ製のクロコベルトです。濃いブラウンの色だけでなく、革の模様も、明るいスーツ生地の上で小さなアクセントになります。

一方、全体写真の革靴は、ベルトより明るいブラウンです。色を完全に一致させているわけではありません。

革ベルトと靴は同じ色でなければならない、と考えると、組み合わせが限られてしまいます。近い色の中で濃淡をつけても、十分にまとまりを出すことができます。

明るい服に、濃いベルトと少し明るい靴。それぞれに違いがあることで、単調にならず、自然な奥行きが生まれます。

スエードの靴を合わせると、装いを柔らかくできる

淡いブルー系の生地とブラウンのスエードローファー
淡いブルー系の生地とブラウンのスエードローファー。

足元を柔らかく見せたいときには、ブラウンのスエードローファーという選択肢もあります。

先ほどの全体写真で合わせていた、艶のある革靴とは違い、こちらは光の反射が穏やかな素材です。明るい服に合わせると、きちんとした印象を保ちながら、少しリラックスした雰囲気をつくれます。

時計のケースには金属の艶があり、革ベルトには表面の表情がある。そこへスエードの靴を加えると、すべてが同じ質感にはなりません。

この違いを楽しむことも、コーディネートの一つの考え方です。時計に品があるから靴も強い光沢でそろえる、と決める必要はありません。行く場所やその日の気分に合わせて、足元の印象を調整してみてください。

長く使うものを、今の自分の服に合わせる

古い時計を使うとき、当時の服装を再現しなくてもよいと思います。

チェックジャケットに合わせる。明るいスーツに合わせる。靴の素材を変えて、少し違う雰囲気をつくる。同じ時計でも、今の洋服との組み合わせから、新しい楽しみ方が見つかります。

長く使うことは、同じ合わせ方を続けることだけではありません。大切にしているものを、今の自分の服装に合わせ直していくことも、その一つです。

時計に限らず、ジャケットや革靴にも、長く付き合えるものがあります。新しいアイテムを加えるだけでなく、手元にある良品の組み合わせを見直す。そうした楽しみ方を、装いの中に持っていたいと考えています。

時計と洋服、靴のバランスについては、「高級時計を生かす服装とコーディネートの考え方」でもご紹介しています。

お持ちの時計や洋服を、今の生活に合う装いへ取り入れたい方へ。Royal Stylingのメンズパーソナルスタイリングでは、既存のアイテムも生かしながらコーディネートをご提案しています。遠方からのご相談には、オンライン・パーソナルスタイリングもご案内しています。

Royal Styling代表 コバヤシシゲユキ
Royal Styling代表 コバヤシシゲユキ

経営者・社長・ドクター・士業・専門職の方へ

立場と未来にふさわしい装いをご提案します。

Royal Stylingでは、仕事で信頼を求められる男性のために、職業・役割・年齢・ライフスタイルまで考慮したパーソナルスタイリングを行っています。

福岡を拠点に、東京・大阪でも対応しています。

個人向けスタイリングを見る ご相談・お問い合わせ
ご相談・お問い合わせ