皆さん、こんにちは。パーソナルスタイリストのコバヤシシゲユキです。
普段の私をご存じの方には、少し意外な一着かもしれません。ジャケットや革靴を中心としたクラシックなスタイルを好む私が、48歳にして初めて本格的にスカジャンを買いました。
きっかけは、ファッションディレクター・青柳光則さんのYouTube動画でした。紹介されていたのは、東京・原宿の名店「スカジャンデプト(SUKAJAN DEPT)」。店内に並ぶ膨大な数のスカジャンを見て、東京へ行く機会があれば、ぜひ一度訪れてみたいと思っていました。今回の東京出張で、その念願がようやく叶いました。
原宿で念願のスカジャンデプトへ
原宿の街を歩き、たどり着いたスカジャンデプト。地下へ続く階段にもスカジャンが並び、入口からすでに独特の空気を感じます。

地下へ降りて店内に入ると、目に飛び込んできたのは、うず高く積まれたスカジャン。ラックにも棚にもぎっしりと並び、その量に圧倒されました。

刺繍も配色もモチーフもさまざまで、スカジャン初心者の私には、どこから見ればいいのか迷うほどです。普段足を運ぶセレクトショップやテーラーとは、まったく違う世界が広がっていました。
自分がよく知っている服ばかりを見ていては、なかなか出会えない面白さがあります。48歳になっても「これは知らなかった」と思える服に出会い、自分ならどう着るかを考える。その時間も、服を選ぶ楽しみの一つだと思います。
選んだのは、グリーンとアイボリーのリバーシブル
今回選んだのは、深いグリーンとアイボリーを組み合わせた、リバーシブルの一着です。実は、このスカジャンを最初に提案してくださったのは、オーナー兼デザイナーの柿沼さんでした。
私が自分の好みを伝えると、「こんなのはどう?」と、うず高く積まれたスカジャンの中から取り出してくださったのが、この一着。提案してくださったこの一枚にピンときて、購入を決めました。

胸元にはヤシの木、アイボリーの両袖には色鮮やかな龍の刺繍。光沢のあるグリーンの生地も含めて、普段の私のジャケットとは随分違う表情をしています。
今回のスカジャンは、いわゆる「ハワイ柄」です。スカジャンの正面には龍や虎、蛇、鷹などのモチーフが定番としてありますが、私には少し強く感じられます。そのため、最初の一着を買うなら、胸元にヤシの木をあしらったハワイ柄がいいと考えていました。


さらに背中には、「Hawaiian Islands」の文字とハワイ諸島のモチーフ。正面だけでなく、後ろ姿にも存在感のあるデザインです。

いわゆる無難な服ではありませんし、普段の私のスタイルと比べれば、かなり振り幅があります。それでも、この配色と刺繍には不思議と惹かれました。
スカジャンではおなじみのリバーシブル仕様。この一着も、表と裏でずいぶん違う表情を見せてくれます。裏返すと、華やかなグリーン面から一転、アイボリーを基調とした落ち着いた雰囲気に変わります。

こちらは、光沢のあるアイボリーのサテン地に白い鳥の刺繍をあしらった面です。同じ一着でも、色と刺繍の見え方によって、ずいぶん落ち着いた雰囲気になります。

グリーン面の華やかさに対して、こちらはドレッシーな表情。この二面性を見て、「これはいろいろ遊べそうだな」と思いました。カジュアルに着るだけでなく、普段の私が好むクラシックな服とも組み合わせてみたくなったのです。
スカジャンだからといって、デニムだけでは面白くない
スカジャンといえば、まず思い浮かぶのはデニムとの組み合わせでしょう。もちろん王道の着方ですが、私自身が着るなら、普段使っているシャツやスラックス、革靴とも合わせてみたいと思いました。
スカジャンに自分を合わせるのではなく、自分のスタイルにスカジャンを引き寄せる。そんな考え方で、今回は4つのコーディネートを組んでみました。
まずは王道。色落ちデニムと白スニーカー

(JAPANESQUE)/花旅楽団
デニム:HYKE
スニーカー:アディダス
(全てスタイリスト私物)
最初は、色落ちしたHYKEのデニムに、白のアディダスを合わせた王道の組み合わせです。深いグリーンとアイボリーに、淡いブルーと白を加えることで、全体を軽くまとめました。
スカジャンそのものに十分な存在感があるので、ほかのアイテムはシンプルに。この着方を出発点にすると、パンツや靴を替えたときに印象がどう変わるのかも、分かりやすくなります。
チノパンとブラウンローファーで、少し上品に

(JAPANESQUE)/花旅楽団
シャツ:ユナイテッドアローズ
チノパン:エミネント
靴:F.lli Giacometti
(フラテッリ ジャコメッティ)
(全てスタイリスト私物)
2つ目は、白シャツにベージュのチノパン、ブラウンのローファーを合わせました。デニムとスニーカーから、センタークリースの入ったチノパンと革靴へ替えると、同じスカジャンでもぐっと上品な印象になります。
グリーン、ベージュ、ブラウンの組み合わせも気に入っています。パンツと靴の落ち着いた色が、華やかな刺繍を受け止めてくれる。白シャツを挟むことで、襟元にもすっきりした明るさが生まれます。
スカジャンだから、必ずアメカジでまとめなければならないわけではありません。普段自分が使っている服の中へ持ち込んでみると、意外に自然な組み合わせが見つかるものです。
グレースラックスと黒ローファー。これが一番「私らしい」

(JAPANESQUE)/花旅楽団
シャツ:ユナイテッドアローズ
パンツ:エディフィス
靴:クロケット&ジョーンズ
(全てスタイリスト私物)
3つ目は、白シャツ、グレーのスラックス、黒のコインローファー。スカジャン以外を見れば、普段私がよくしているジャケットスタイルに近い組み合わせです。ジャケットの代わりにスカジャンを持ってきたこの着方が、個人的にはかなり気に入っています。
グレーのスラックスと黒靴で下半身をきちんと整えると、スカジャンの華やかさが引き立ちます。シャツとパンツ、靴に見慣れたクラシックな要素があるので、普段とは違う一着でも、自分の装いとして取り入れやすく感じます。
若い世代の服装をそのまま真似するより、これまで着てきた服の延長線上に新しいアイテムを加えてみる。40代、50代になって服に挑戦するときには、こういう考え方も面白いのではないでしょうか。
白いスカジャンを「ディナージャケット」に見立ててみる
4つ目は、アイボリー面を使ったパーティースタイル。今回、いちばん遊んでみた組み合わせです。

(JAPANESQUE)/花旅楽団
シャツ:ユナイテッドアローズ
パンツ:ZARA
靴:クロケット&ジョーンズ
蝶ネクタイ:ソブリン
(全てスタイリスト私物)
白に近いサテンの光沢と、白い鳥の刺繍を眺めているうちに、「ホワイトディナージャケットのように着たら面白いのでは?」と思いました。そこで白のドレスシャツに蝶ネクタイを締め、側章入りのパンツを合わせています。足元は黒のコインローファーで引き締めました。
もちろん、正統なフォーマルスタイルとして組んだものではなく、ディナージャケットの装いに着想を得た遊びです。ただ、こういう組み合わせを考えるときほど、ベースとなる服装の文法を知っておくと楽しくなります。
蝶ネクタイ、白シャツ、側章入りパンツ、黒靴でドレッシーな要素を整え、ジャケットをスカジャンに置き換える。私は、一度きちんと整えてから、どこか一つを崩す着方が好きなのです。

近くで見ると、アイボリー面はサテンの光沢がとても綺麗です。刺繍も白で統一されているため、色鮮やかなグリーン面とは違った華やかさがあります。蝶ネクタイと合わせると、その表情がいっそう際立ちます。
ホテルでのパーティーやファッション関係の集まりなど、少し遊びが許される場なら、こんな着方も面白いと思います。出席する場の雰囲気を踏まえながら、自分なりの遊び心を加えてみたいですね。
大人になるほど、服は自由になっていい
若い頃は、「この服には何を合わせるのが正解なのだろう」と考えていた気がします。いろいろな服を着てきた今は、基本を大切にしながらも、自分なりの組み合わせを考える楽しさが増えました。
スーツにもジャケットにも靴にも、長く受け継がれてきたルールがあります。私自身、そのクラシックな服の世界が大好きです。ただ、基本を知ったうえでなら、ときには普段の着方から外れてみてもいい。今回スカジャンを着てみようと思ったのも、そんな気持ちからでした。
アラフォー、アラフィフだから地味な服を選ぶ必要はありませんし、若く見せるために若い世代と同じ格好をする必要もありません。これまで自分が培ってきた服装の中に、新しいものをどう取り入れるか。その方が、私にはずっと楽しく感じられます。
「自分らしい服装」は、同じ服を着続けることではない
今回スカジャンを買って改めて思ったのは、「自分らしい服装」とは、いつも同じ種類の服を着ることではない、ということです。ジャケットやスラックス、革靴が好きだという私の軸は変わりません。その軸があるからこそ、違うテイストの一着も自分なりに楽しめるのだと思います。
デニムで軽快に着てもいいし、チノパンやグレースラックスで整えてもいい。ときには裏返して蝶ネクタイを添える。同じ一着でも、手持ちの服との組み合わせから、いくつもの表情を引き出せます。
新しい服を買う楽しみは、手に入れた瞬間だけではありません。家にあるシャツやパンツ、靴と合わせながら、自分のワードローブの中でどう生かすかを考える。ファッションの面白さは、そういうところにもあるのではないでしょうか。
最後に、柿沼さんと

スカジャン初心者の私にとって、今回の訪問は新しい世界を知る楽しい時間になりました。動画をきっかけに興味を持ち、実際に原宿のお店を訪ね、一着を選ぶ。その体験も含めて、これから大切に楽しんでいきたいと思っています。
48歳、初めてのスカジャン。これから実際に着ながら、自分なりの合わせ方をさらに探していくつもりです。「これは自分のスタイルではない」と最初から決めず、ときには普段と違う一着に手を伸ばしてみる。年齢を重ねてきたからこそ、そんな服の楽しみ方があってもいいのではないでしょうか。
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