近年、急速に需要が増えてきたパーソナルスタイリストというお仕事。テレビ番組の「パパ変身」などのコーナーでパーソナルスタイリストさんが登場する機会も増え、その名称を聞いたことがある人も多いと思います。
一方、パーソナルスタイリストとはどんなお仕事なのか?また、どうすればパーソナルスタイリストになれるのか?についてよく分からない方もいらっしゃると思います。そこで、ここではパーソナルスタイリストのお仕事の中身、そしてどうすればなれるかについて解説します。
1.パーソナルスタイリストってどんなお仕事?
「スタイリスト」というと、一般的には芸能人やアナウンサーなどメディアで活躍する著名人の衣装をコーディネートしたり、ファッション雑誌の衣装選びをしたりするお仕事を指します。
1-1 パーソナルスタイリストとは?
では、パーソナルスタイリストについてはどうかと言うと、「洋服のコーディネート」という点ではスタイリストとおおむね変わりませんが、異なる点が一つあります。それは顧客が「一般の個人」であるということです。
パーソナルスタイリストは「オシャレの仕方が分からない」「こういうシーンにピッタリな洋服が欲しい」といったニーズや悩みを持つ一般の方のファッションの悩みを解決するスペシャリストです。
1-2 パーソナルスタイリストのお仕事内容は?
パーソナルスタイリストのお仕事内容は多岐にわたりますが、もっともメジャーなものとして顧客の洋服選びがあり、これには2種類のパターンが存在します。
1-2-1【ショッピング同行タイプ】
顧客のニーズや目的をヒアリングして、一緒に洋服のお店を回りながらファッションの提案をするやり方です。パーソナルスタイリストにもよりますが、1回のショッピング同行で2〜5店舗を回る場合が多いようです。
ファッションに対する深い知識はもちろん、各ショップの特性や顧客へのホスピタリティ能力も求められます。
1-2-2【サロンタイプ】
顧客に自社のサロンへ来店してもらい、そこに準備している洋服を提案するやり方です。スタイリストが事前に購入しているパターンやサロンによっては服の販売自体が目的である場合など様々です。
2. どうすればパーソナルスタイリストになれるの?
パーソナルスタイリストになるには何か資格が必要だと思われがちですが、そんなことはありません。極端な話をすると、名乗った日から「パーソナルスタイリスト」として活動を始めることができます。
ただし、名乗ることは自由ですが、お仕事として成立するかは別です。ファッション知識やスタイリング実績、ノウハウが全くないまま闇雲にスタートしてもなかなか結果は出ません。そのため最近ではパーソナルスタイリストの養成講座、スクールなどを受講される方も増えています。
今後益々増加していくパーソナルスタイリストを目指すのであれば、ご自身に合った講座等を受講された方が近道であると言えます。
3. どのような養成講座がある?内容は?
最近ではパーソナルスタイリストの養成講座・スクール等を開講しているところも増え、その内容も千差万別です。講座自体のスタイルについても以前は主宰している学校に行って教室で受けるスタイルが多かったのですが、コロナ禍でライフスタイルも多様化したことから、近年ではZOOMやスカイプなど自宅で学べるものも出始めています。
せっかく時間とお金を使ってパーソナルスタイリストの勉強をするのですから、しっかりとスキルを身につけたいものです。そこでどのような講義をしているのか気になりますよね。
3-1 多くは収録動画の提供型
大手のファッション系スクールやパーソナルスタイリスト養成講座に多いのが、あらかじめ収録された動画を提供→視聴して質問を受け付けるというスタイルです。自分の好きな時間に動画を視聴できるというメリットがあります。
その反面、分からないことや気になったことをその場で講師に質問できないことや、「申し込んだし時間が空いたら見よう」といった具合についサボりがちになるというデメリットもあります。
3-2 リアルタイム・生講義も
ZOOMやスカイプなどのオンラインツールを使って、現役のパーソナルスタイリストが生講義をするというものです。最大のメリットはリアルタイムで講義を受講できるので講義中に疑問点や気になったところを質問することができるところです。また、講師と受講生の双方向で講義が進行するためファッションスキルの習熟度、集中度合いが収録動画の再生講義とは違います。
デメリットはリアルタイムやマンツーマンで養成講座を開講しているスタイリストが少ないということ。収録動画を提供する方法と比べると講師スタイリストの拘束時間が膨大になるため、実施をしているスタイリストが非常に少ないのです。
4. メンズファッションとレディースファッション、どちらをすべき?
現在、開業しているパーソナルスタイリストの多くが女性です。そのため、自分と同じ女性向けのサービスを展開しているパターンが圧倒的に多いため、結果的にメンズファッションに比べてレディースファッションを扱うパーソナルスタイリストの方が多いのが現状です。
では、メンズファッションに需要がないかというと、そんなことは全くありません。そもそも日本の成人男女比はそれほど変わらず、潜在的なニーズも男女同率であるはずです。
また、女性向けのスタイリングサービスを展開しているパーソナルスタイリストはすでにたくさんいますが、これはライバルもそれだけ多いということです。
それに比べて男性向けのパーソナルスタイリストは極端に少ないため、むしろビジネスチャンスと捉えることもできます。そのため、最近では女性がメンズファッションについて学ぶケースも増えています。
5. 養成講座・スクールを選ぶ基準は?
ネットで検索するとパーソナルスタイリストの養成講座がいくつも表示され、どれを選べば良いか迷うところです。ここでは選ぶ際の判断基準についてご紹介します。
5-1 ホームページ、SNS等が充実しているか。
ホームページの有無やブログ、InstagramなどのSNSで情報発信をきちんとしているかは一つの目安になります。特にInstagramはスタイリストのファッションセンスや世界観が分かりやすいツールですので確認してみると良いでしょう。
5-2収録動画の視聴型か生講義か。
先にもお伝えした通り、養成講座やスクールには収録動画を視聴するスタイルと講師スタイリストによる生講義のスタイルの2種類があります。
スキマ時間で講座を見たい方は収録動画を視聴するスタイルも良いかも知れません。一方、真剣にパーソナルスタイリストについて生講義で学びたい、その場で質問がしたいという方にはリアルタイム・生講義のスタイルがオススメです。
5-3 講師との相性
収録動画を視聴するスタイルとリアルタイムでの生講義のいずれも講師との相性は重要です。スタイリストのキャラクター、対話するときの雰囲気、親身になってくれるか?講義を欠席した場合のフォローはしてもらえるか?など講師スタイリストとの相性は長く講座を受ける上で外せない要素ですのでチェックしてみてください。
5-4 スタイリング例
ホームページやブログ等SNSで顧客のスタイリング例(ビフォーアフター例)が掲載されているかは是非チェックしたいところです。なぜなら顧客のビフォーアフター例を見れば、講師のスタイリング能力が一目瞭然だからです。世の中にはビフォーアフターと称しながらあまりオシャレになっていなかったり、いまいちパッとしない事例もあります。
また、顧客のスタイリング例がご自身の好み、方向性と合っているかもチェック要素です。
5-5 パーソナルスタイリスト自身のファッションセンス
学びたいと思うスタイリスト自身のファッションセンスはぜひ参考にして欲しいところです。なぜなら、多くのスタイリストは自身の持つファッションセンスを武器に顧客のスタイリングをしているからです。
そのため、スタイリスト自身のファッションセンスがイマイチだと、そこから生まれるスタイリングも限界があると言わざるを得ません。
ファッションセンスのチェックの仕方としてはInstagramなどの写真媒体や新聞、書籍などのメディア掲載、ファッション雑誌の露出度などは一つの目安になります。
6. まとめ
以上、このコラムでは
・パーソナルスタイリストはどのようなお仕事なのか?
・どうすればパーソナルスタイリストになれるのか?
・どのような養成講座があるのか、その内容は?
・メンズファッションとレディースファッション、どちらをすべきか?
・養成講座、スクールを選ぶ基準は?
というテーマでお伝えいたしました。「パーソナルスタイリストになりたい」「養成講座、スクール選びで迷っている」という方の参考になれば幸いです。
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